掃き溜めのコルクボード

「好き」を言葉に

予約制の本屋でお友達ができました

それはカフェのラスト出勤を終え清々しい気分の夕方17時頃。




ふと思い立ち、雑貨屋サンリンシャさんへ向かうも休業日だったので急遽Uターン。




去年の秋頃から通っている予約制の本屋さんの「なタ書」さん(https://m.facebook.com/natasyo/ )へ遊びに行きました。
(電話予約時以外の時間もオーナーの藤井さんが開けてる時間なら入れる。Twitterで確認可能。)




正直なとこ、見た目は本屋とはわからないくらい異様な雰囲気の店。




玄関へ入り靴を脱いだら2階へ。
体感世界一急な階段を登って左を向くと藤井さんがカウンターで作業or客と談論している。




「千代さんやん。まあゆっくり見てってよ。」



いつも大体こんな感じ。



よく水木しげるタッチと言われがちな藤井さんは存外フランクに話しかけてくれる方。
なんならフランクを通り越して「コンビニでビール買ってくるから」と客に言い渡し店を開けたまま出ていく人です。
(不用心なんだか信用してるんだがわかんねえ。)


この日は珍しく若い客が多くて高校生の男の子とまだ未成年の女の子が藤井さんと談笑してました。



店内全体の本を眺めて気になるヤツをちらほら手に取りそろそろ帰ろうかなー というとき。





帰り際にどんな流れでかわかんないけどオタクの話になった。...オタクの話になった。





事の発端は、藤井さんの「同人誌ってどういうものなの?」だった気がする。



そこから10代の女の子(以降は魚子さんとする)は力説に力説を重ねて妙齢の一般人男性にBLや夢女子の存在について1から説明を始めた。



「ワンピースのゾロとサンジが付き合ってる世界線を想像する人種がいる」「原作の話に登場する男性同士の性行為を日常生活で思い描いている人もいる」etc…


そこの女子。おそらく我々の世界では常識だが、治外法権なのであってバブリックピーポーには適用外だ。




意外にもこの戦いは長期戦となる。
それはもう、すごかった。




実は藤井さんは経営や政治に一家言のある人で、古本屋オーナーのはずが人生相談を募られる程に知識・経験の深い人である。




それを猛烈な勢いでオタクの嗜好(思考)を語りまくし立てる魚子さん。





3時間にも及ぶオタクと一般人の議論は地獄絵図であった。(そしてすこぶる楽しかった。)

世界がコロナで大変な時にジャンプ作品内のボーイズラブについて熱く語り合ってたのあの空間だけじゃないかな...。




オタクの中でBLという概念の定義が常識になってて一般人にわかりやすいよう説明するの困難よね。

そして経営熱心な藤井さんが「同人への理解が深まれば店に新しい風を入れられるかもしれない」という考えの末10代の女オタからBLについて語られてるのわかりやすい地獄よね。うん。




まあ、結局そんなおもしろ珍百景は22時頃に終結したのだけれど。


藤井さんに食らいついていく魚子さんの勇姿を3時間隣で見ていた私はもはや戦友と言っても差支えのない存在だった。
(もはや途中で会話に混ざって援護した。)

そして速攻で友達になった。

結果、初めてなタ書でお友達ができました。




そこから意気投合して帰り道に連絡先を交換し同じ電車で帰りました。(偶然地元が同じ方向だった。)




この日の出来事は 、自分自身が1番驚いてて「おまえはいつから初対面の人間と友達になれる陽キャになっちまったんだい?」というところ。


強いて言うならアンテナがピンときてしまった。おそらくそんな理由。



案外、人との繋がりなんて簡単に作れてしまって。それなら面白い方に転がした方が万倍いいよなってそんな話。