掃き溜めのコルクボード

「好き」を言葉に

友人のバンギャの話


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 8月31日、お友達のバンギャのおうちへお邪魔した。

 

 中旬に「遊びに来なよ」「じゃあ月末で」くらいの軽いノリで決まった泊まり企画。

 久々に10代の感覚にもどって馬鹿をやった。

 

 スプラトゥーンをしながら煙草を吸うバンギャTwitterで実況したり、コントローラーを操作するバンギャと「3年目の浮気」(選曲よ)をデュエットしたり。

 バンギャが振舞ってくれたごはん(炊飯器でつくった煮物&キャベツに韓国調味料つけたやつ)を食べて「結婚しよ」とプロポーズしたり。

 夜にコンビニへ出掛けたり、公園でシガーキスしたり、花火とシャボン玉でキャッキャしたり。

 お風呂入り終わってからワインオセロ(ほろよい版)でお互いに胃と膀胱を壊したり。

 

 なんというか、ね。

 

 性格的にあまり動じずはしゃがずの自分がこんなに奔放になれると思わなかった。

 夏休みのモラトリアムをカーテンで閉め切った、朝とも夜ともつかない部屋でほとんど過ごしていた。そんな、ぼんやりとした私の心が、ほんの少し動いた。

 でもそんなふうにはしゃげたのは、旧友のバンギャが一緒にいてくれたから。

 

 

 そう、いい機会だから。

 これを機に、彼女について書いておきたい。

 

 私がよく"バンギャ"と称している彼女とは高校時代からの付き合い。 (何故"バンギャ"かと言うと当時彼女がV系にハマっていたから)

そして、恋多き女である彼女の相談をよく受けていたのが私である。 

 

 どうしてそんなに仲良くなったのかは、明確に覚えていない。

 私のなかで「大人しそうな子だなあ」と印象づいていた彼女が、朝教室に行くと自分の席で泣いていて。

 たしかその時に話を聞いたのが始まりだった気がする。

 

 バンギャは知れば知るほど面白い子だった。

 

 まず、全然大人しくなかった。

 思ってた5倍くらいやんちゃだった。

 

 吹奏楽でトランペットをしていて、部活の日には購買で4,5個パンを入手して全部食べきってたし。

 夜に電話かかってきたと思ったら「カブトムシ捕まえに行かん?」って誘いが来るし。

 体育祭でクラスの男子を軽々とお姫様だっこするし。

 いろいろと想定外で楽しい子だった。

 

 お互いに大学へ進学しても仲は続いていて。

 私は香川に残留、バンギャは他県へ進学しても継続して連絡をとった。

 アルコールも嗜めるようになって、お酒の注ぎ合いしたり、喫煙所でどうでもいいこと話したり。

 どっちも波乱の多い人生だから。その都度、電話をかけたしかけられた。

 

 バンギャは私が出会った中でいちばん綺麗な顔で。友達も彼女の顔を見ると必ず「お人形さんみたい」だって言ってた。

 それに、サバサバしたバンギャの性格とは裏腹な、少年みたいな可愛らしい一面を覗かせるところがほんとうに魅力的で。

 私はそんな彼女のことがすごく好きで、恋愛的な感情は無いけれど、ただ大事な友人が幸せになって欲しいと願っている。

 

 そんな彼女とも、今や7年の付き合い。

 

 バンギャは現在ジャニーズにハマっていて、推しのインスタや出演したドラマを見ながら一喜一憂している。

 indigo la Endの「夜漁り」を流しながら、せっせと家事をして、たまにゲームをしつつ暴言を吐き、気まぐれに歌謡曲を歌う。

 私から見た彼女は、人生を派手に転がりつつもちゃっかり楽しめてもいて、だからこそ相変わらず眩しくてしょうがない。

 

 ほら。今も「こんなに安く買えた!」って、大根を掲げる彼女はずいぶんと愛らしい。

 


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