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「好き」を言葉に

「死んでしまったのだろうか」りうたまご ―ある少女へのレクイエム―


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 こんばんは。空峯 千代です。

 今回は久々に好きな歌のレビュー(?)でもしようかなって。

 

 フォロワーにめちゃめちゃ歌が上手い子がいて。まあ知ってる人は知ってるだろうがりうちゃん(Twitter@LoveLivenanase)ですね。

 

 彼女がnanaに投稿した作品「死んでしまったのだろうか」の感想を書いてみようと思います。

 

 まずは聴け

 

 そのまんまよ。百聞は一見にしかず、とりあえず聴いてみて。

 nanaのリンクを貼っておくね。

 

https://nana-music.com/sounds/0568a464

 

 余計なことを書くと彼女は17歳です。すごいよね、これ。

 そもそもが音楽系の人間で音楽方面の努力をしっかり、それも楽しみながら続けてきた彼女の実力です。

 10代でこのクオリティなのも頷ける歌唱力だよね。

 

 想いで歌う

 

 ここからは歌の感想なんだけどね。

 まず歌い出しから美しい。美しいのだけれど少し儚い。

 そしてピアノと合唱で培った歌唱が曲に合う。

 

 こわごわと紡がれる言葉。歌う、と言うよりは独白のような。

 歌っているよりも語っていると言った方が似合いかもしれない。

 

 「そう生まれた時からわかってたんだ 深海に沈む船のように...」

 少しずつ零れていく憂い。そして想い。まるで胸の内を吐き出していくような。海に身を預けるような感覚になる。

 

 ラストの「戻ることない失った日々を」は力強くてなんだか潔い。

 

 この歌を端的に表すならガラスの破片だろう。美しくて、危うくて、それでいて鋭い。

 

 それとね。

 私がこの歌に好感が持てたのは、変に技術・技巧で歌を飾り立てるんじゃなくて想いで真っ直ぐに歌ってるから

 

 演技過剰は好きじゃないし、元からバンドボーカルが趣味の人間だからさ。

 そもそもあんまり合唱系の歌声が耳に合わない。

 

 でもこの歌はそんなの関係なくて耳にスっと入ってくる。

 それは彼女自身の想いで歌っているから。感情で歌ってるから。伝えたい誰かが明確にいるから。

 表現するための歌だから、私は感じ取ることができた。

 

 正直な話、私は彼女の歌が苦手だけれどこれだけは唯一ちゃんと聴けた。

 

 個人的なこと

 

 実を言うと「死んでしまったのだろうか」は私が21年生きてて1番苦しかった時期に何度もリピートで聴いてた曲です。

 

 「きっと、僕は、しんでしまったんだ」。あの歌詞に何度共感したかしれない。

 1番好きなのは2番の「あの日君を抱き締めればよかった。それに気づかなければよかった。」の部分。

 後悔は全てが過ぎ去った時に初めて訪れる。人は案外この事実に気付かない。それがこの歌詞に集約されてる。

 

 余談だけれど、もし私がこの曲を歌うとしたらものすごく幸せそうに歌う。

 まるでこの世で1番甘くて美味しい果物を味わうかのように、最上の幸福を得たかのような恍惚とした歌い方をする。

 それが私なりの「死んでしまったのだろうか」の解釈です。

 

 私の話はいいんだ。りうちゃんの歌の話に戻ろうか。

 

 彼女の歌上手いし曲に対する愛情がちゃんとあって本人が音楽楽しんで歌ってるのが伝わるからさ。表現力すごいし。

 「死んでしまったのだろうか」以外にも色々聴いて""良い""と感じたらコメントしてみてくれ。以上。